【札幌】日曜の午後だけ開く古道具店「十年二十年」|一生ものの鉄瓶と月を感じるカレンダー

NUUMOON.(齋藤基正氏)の日出・日没がわかる2026年カレンダー 商業施設

札幌の二条市場の裏、古びたビルの小さなワンフロアに、一週間のうち「日曜日の午後」だけ扉を開く店があります。 お店の名前は「十年二十年(じゅうねんにじゅうねん)」。 その名の通り、「十年、二十年と、長くそばに置いておきたいもの」をコンセプトに、オーナーさんが選び抜いた品々が並ぶ、ギャラリー兼ショップです。

グラフィックデザイナーでもあるオーナー・榊原さんの手によって整えられた空間は、一歩足を踏み入れると、時間の流れがゆるやかに変わるような不思議な静けさに満ちています。

以前、漂着物アートを手掛ける海山俊亮さんの個展でお邪魔した際にも、なんとも言えない不思議な空間の美しさが印象的でしたが、今回はInstagramで見かけた「あるカレンダー」がとても気になり、再びお邪魔してきました。(静かな美しい漂着物アート「太陽の塔」の記事はこちらをご覧ください。)

https://www.happa.blog/sapporo-junen-nijunen/

毎日の空を眺めるのが好きで、最近ではiPhoneで日照時間や月の満ち欠けを確認するのが日課になっていました。低緯度オーロラが話題になるほど空への関心が高まる中で、「一年の月の移り変わりを一目で体感できるものがあればいいのに」と思っていたのです。

このカレンダーを目にしたときの、「同じことを考えている人がいた!」という驚きと嬉しさ。 一日の日の出・日の入りの時刻、そして月の満ち欠けが可視化されたデザインは、一年の天体の大きな動きのどこに自分がいるかを一目で体感できます。

紙質は奉書紙(冠婚葬祭などの大切な場面で使われる高級感ある格式の高い和紙の一種)が使われており、ツルツルした表面ではなくざらっとした質感のある裏面が印刷面になっています。少し黄みを帯びた柔らかい色味と手触りのある質感はどんなお部屋にもしっとりと馴染みます。

[ 齋藤基正さん(NUUMOON.)について ]

かつて榊原さんが東京・千駄ヶ谷に事務所を構えていた頃のお隣さんだったという齋藤さん。学生時代を北海道で過ごされた経験もあり、現在は東京・世田谷でデザイン事務所 NUUMOON.(ニュームーン)を立ち上げ、制作活動をされています。 榊原さんとの温かなご縁が、札幌にこのカレンダーを連れてきてくれたのだと思うと、手に取る時にもどこか温もりを感じます。

空間が教えてくれた「鉄瓶」の正解

札幌の古道具店「十年二十年」の店内ディスプレイ

お目当てのカレンダーをみつけたあとに、店内を見回すと静かに佇む鉄瓶たちが目に飛び込んできました。 実は最近、密かに鉄瓶を探して古道具屋を巡っていたのですが、どれも同じに見えてしまったり、逆に個性が強すぎたり……。『これだ!』という一品に巡り会えずにいたのです。

しかし、ここ『十年二十年』さんの、余白を贅沢に使ったディスプレイは、一つひとつの鉄瓶の細かな違いを、ゆっくりと吟味しながら見比べることができます。

  • 伝統的な丸型: 表面の細かな凹凸(あられ模様)が、手に馴染む温もりを感じる。
  • モダンな六角形: 現代の暮らしにも溶け込むシャープなラインが美しい。
  • 精巧なミニチュアサイズ: おもちゃのような愛らしさでありながら、取手や注ぎ口の細部まで職人技が光る逸品。

榊原さんとお話ししながら、じっくりとお気に入りの「一つ」を選ぶことができました。

十年二十年で取り扱う伝統的なあられ模様の鉄瓶のミニチュア
精巧にできているミニチュアを購入。南部鉄器の名店岩鋳さんのもの。手のひらサイズで可愛い。

道具を育てる知恵(鉄瓶の手入れ)

鉄瓶を扱う上で気になるのが「錆(さび)」の手入れですが、そのコツも教えていただきました。

こちらのお店に並ぶ鉄瓶は、ミニチュアを除き、すべてあらかじめ錆止めの処置を済ませているとのこと。さらに、自分でもできる「緑茶の茶殻を煮出す」という錆止めの方法も教えていただきました。こうした具体的な扱い方まで丁寧に伝えてもらえるのも、このお店ならではの安心感かもしれません。

ショップ情報:十年二十年

店名: 十年二十年(じゅうねんにじゅうねん)

住所: 札幌市中央区南3条東1丁目6-2 メゾンR・N 4階

アクセス: 地下鉄「大通駅」34番出口または「バスセンター前駅」から徒歩5分 / 二条市場裏

営業日: 日曜日のみ

営業時間: 13:00 〜 18:00

公式Instagram: @junen_nijunen

※日曜のみの営業のため、訪問前に必ず公式Instagramで最新情報をご確認ください。

結び:変わるもの、変わらないもの

持ち帰ったカレンダーを、少し早めに壁にかけてみました。 新しい年を待つ静かな時間の中で、これから変わっていく季節や月の形、そして十年、二十年と変わらずに使い続けたい道具たちに思いを巡らせています。

十年二十年さんでは、この他にも各地の伝統的な手工藝品や長く愛用したくなる品々がおいてあります。木彫作品のラインナップも豊富で、木彫り熊は各地でみかける様々な種類のものが愛らしく置かれています。壁掛けにする大きな熊の顔や、可愛らしい子熊、座っていたり、這っていたり、スペースが限られている中での展示数はとても豊富でした。(木彫り熊について興味のある方はこちらの藤戸竹喜の記事もおすすめです。)

日曜の午後、もしあなたが「一生モノ」の何かを探しているのなら、ぜひ十年二十年さんの扉を叩いてみてくださいね。

札幌の古道具店「十年二十年」の店内ディスプレイ
手元において置くだけでなく、贈りたくなる素敵なものも・・・

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