札幌・真駒内「ギャラリーカモカモ」黒川絵里奈 切り絵展レビュー|切り絵と影が作り出す幻想的な世界

ギャラリーカモカモに展示された黒川絵里奈の切り絵作品「KIRIE ART Laboratory」。切り絵と影が織りなす幻想的な空間が魅力。 ギャラリー

2025年6月21日(土)、GALLERY kamokamoで開催中の黒川絵里奈さんの切り絵展「KIRIE ART Laboratory」を訪れました。会期が明日、6月24日(火)までとのことなので、今回は急ぎ足でこの儚い夢のような展覧会の魅力をお伝えしたいと思います。

切り絵と影が作り出す、幻想的な小劇場

ギャラリーカモカモに展示された黒川絵里奈の切り絵作品「KIRIE ART Laboratory」。光と影が織りなす幻想的な空間が魅力。

ギャラリーの扉を開くと、そこにはまるで童話の世界が広がっているようでした。小さな額に収められていたのは、繊細な切り絵で表現された花々などの植物たち、優雅に泳ぐ金魚、そして今にも動き出しそうな妖精たち。一つ一つの作品が丁寧に作り込まれていて、その世界観に思わず引き込まれます。

特に印象的だったのは、ライティングによって生み出される切り絵の影でした。作品自体に映り込む影が、深みと奥行きを与え、小さな空間に劇場が現れたかのよう。光と影が織りなす豊かな表情は、まさに黒川絵里奈さんならではの芸術表現だと感じました。

舞台芸術の経験が息づく、繊細で立体的な切り絵

お話を伺うと、黒川さんは舞台芸術の仕事を10年間経験された後に、切り絵作家として活動を始められたそうです。その経験が、作品の立体感空間演出、そして影の美しさにも活かされているのだと納得しました。

作品に使用されているのは、淡く優しい色合いのタント紙。さらに上から彩色して色を重ねることで、紙とは思えないほどの柔らかく、温かみのある雰囲気を醸し出しています。繊細な花や葉の表現は息をのむほど美しく、いつまでもその世界に浸っていたい気持ちになりました。

雨の多い今の時期であれば小さな丸いボトルに入った金魚や花々の作品は、窓辺などに飾れば憂鬱な気分をその華やかな彩りで心を軽くしてくれそう。また、月明かりの下で植物の合間に佇む妖精の作品は、静かで優しい音楽が聞こえてきそうなほど叙情的です。

黒川さんの切り絵は、奥行きのある額に複数の切り絵が重ねて配置されているため、単なる平面的な作品とは異なり、立体感が際立っています。そして、この立体感とライティングが生み出す影の表情こそが、作品の最大の魅力。まるで私たち鑑賞者が、妖精や植物たちの秘密の世界をそっと覗き見しているような感覚に包まれます。まるで妖精が植物とともに暮らす別世界への扉がいくつもあるかのような、そんな不思議な空間でした。

ギャラリーカモカモに展示された黒川絵里奈の切り絵作品「KIRIE ART Laboratory」。切り絵と影が織りなす幻想的な空間が魅力

黒川絵里奈さんの切り絵展。繊細な手仕事と切り絵とその影の幻想的な空間は、きっとあなたの心にも静かな感動をもたらすはずです。

展覧会 展示概要

展覧会 会期・開館時間

開催期間: 2025年6月20日(金) 〜 6月24日(火)

開館時間: 11:00 〜 18:00

アクセス&駐車場情報

GALLERY kamokamo住所: 〒005-0014 北海道札幌市南区真駒内幸町1丁目1−15 スタジオ・カモカモ

アクセス: 地下鉄南北線真駒内駅から徒歩11分、バス停「南区役所前」下車5分

駐車場情報: ギャラリー前に3台ほど

まとめ

札幌・真駒内ギャラリーカモカモの黒川絵里奈切り絵展会場風景。幻想的な切り絵作品が並び、別世界への扉のようなアート空間が広がる

札幌・真駒内の「GALLERY kamokamo」で開催中の黒川絵里奈さんの切り絵展は、切り絵と影、そして繊細な手仕事が生み出す、まさに幻想的なアート空間でした。日常を忘れさせるような美しい作品の数々は、きっとあなたの心にも静かな癒やし新たな発見をもたらしてくれるはずです。

会期は明日6月24日(火)までと残りわずかです。この機会にぜひ足を運び、美しい妖精の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

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